町田そのこ『あなたはここにいなくとも』をHSPアラサーが紹介

書評

今日は、町田そのこさんの短編集『あなたはここにいなくとも』について、 各短編のあらすじ(ネタバレなし)、キーワード、おすすめポイントを、HSP気質のアラサーである私が紹介します。

この記事でわかること
  • 各短編のあらすじ(ネタバレなし)
  • 各短編を表すキーワード
  • HSPの方でも安心して読めるかどうか

『あなたはここにいなくとも』どんな作品?

『あなたはここにいなくとも』は、
人生のさまざまな「別れ」を通して、自分の生き方と向き合う人々を描いた短編集です。

短編一覧

短編一覧
  • おやつのよる
  • ばばあのマーチ
  • 入道雲が生まれるころ
  • くろい穴
  • 先を生くひと

あらすじ

おやつのよる

あらすじ

地元九州を離れ大阪で暮らす清陽は、父との諍いからしばらく実家に戻れずにいた。

帰ってきてほしいと願う祖母の連絡を無視していたが、ある日その祖母の訃報を受け取る。 もう会えない祖母への思いが胸に残る中、清陽は一人で地元へ帰ることを決める。 家族の良いところも悪いところも含めて抱きしめたくなる一作。 

キーワード

家族のかたち / 死別

おすすめポイント

実家に帰って、家族とくだらない会話を交わしたくなる一作です。

ばばあのマーチ

あらすじ

会社でのいじめが原因で対人恐怖に陥った香子は、
彼氏からモラハラまがいの扱いを受けながらも別れられずにいた。

ある日、噂に聞く「オーケストラばばあ」を目にする。食器を叩きながら音を奏でる彼女の奇妙な行動の意味と、香子がこれからどう生きるのかを描く一作。

キーワード

再出発 / モラハラ / 挫折

おすすめポイント

「そんな彼氏、別れなよ」と思いながらも、
香子が少しずつ変わっていく姿に静かに背中を押される一作。

入道雲が生まれるころ

あらすじ

関係が深くなる前に人間関係をリセットしてしまう萌子。

ある日、親戚の藤江さんの訃報を受けて地元へ戻るが、藤江さんは実は赤の他人だった。

藤江さんの人生とは、また自分に合った生き方を考える一作。

キーワード

人間関係のリセット / 死別 / 生き方

おすすめポイント

人間関係をリセットしてしまう萌子に共感する方も多いのではないでしょうか。

くろい穴

あらすじ

美鈴は、不倫相手の妻から渋皮煮を頼まれ、複雑な思いを抱えながら栗を煮る。

虫食いの栗を見つけた瞬間、灰汁の黒ずみが心の影をそのまま映すように濃くなっていく。 

激しく移り行く感情の波が印象的な一作。

キーワード

不倫 / 負の感情 / 苦い後味

見出し

この本の中では珍しく、暗く負の感情が濃く漂います。
矛先違いの苛立ちを抱える美鈴の危うさに戸惑いながらも、先の展開が気になる一作です。

先を生くひと

あらすじ

幼馴染への恋心に気づいた高校生の加代。しかし彼は引っ越しを控え、別の女性に心を寄せている。

複雑な思いを抱える加代は、「死神ばあさん」と噂される老女と出会う。 

老女が抱えてきた過去の後悔と、加代の初恋の行方が重なっていく一作。

キーワード

青春 / 幼馴染 / 初恋

おすすめポイント

幼馴染への初恋という、甘酸っぱくも苦しい恋の行方をつい応援してしまう一作です。

HSPの私が感じたこと

結論としては、HSP気質の私でも安心して読める短編集でした。

ただ温かいだけではなく、自分の生き方を見つめ直す気づきがあります。

辛い状況に置かれた主人公に心痛む場面もありますが、さすが町田そのこさん。確かな救いがあり、話のその先が気になります。

刺激の強い描写もありませんし、心に優しく寄り添ってくれる一冊です。 

キーワードを見て、今避けたいトピックだけ外しておけば、安心して読めると思います。

▼町田そのこさん『コンビニ兄弟』はこちら

『コンビニ兄弟』感想ー日常の中に居場所をくれる物語ー
九州のコンビニ「テンダネス」を舞台に、人々の日常と店長兄弟の魅力を描く『コンビニ兄弟』を紹介。視点が変わる物語の面白さと、やさしい読後感が残るシリーズです。

 

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