北海道に訪れたときは、必ずご当地コンビニのセイコーマートに立ち寄ります。
北海道に来たぞ!!という特別感を味わえる場所で、
ホットシェフの家庭的であたたかい味が大好きです。
そんなセイコーマートを見ると、いつも思い出す小説があります。
それが、町田そのこ著『コンビニ兄弟』です。
『コンビニ兄弟』は、九州だけに展開するコンビニチェーン「テンダネス」を舞台にした物語。
ドラマ化・コミカライズ化もされる人気シリーズで、本日はその魅力をご紹介します。
本の情報・あらすじ
- 著者:町田そのこ
- 出版社:新潮社
- シリーズ:1巻~5巻(2026年2月現在)
九州のみで展開するコンビニチェーン「テンダネス」を舞台に、店長兄弟とそこに集まる人々の日常が、さまざまな視点から描かれる物語です。
一見何気ない出来事が、別の人物の視点とつながることで少しずつ意味を帯び、登場人物たちの素性や過去が明らかになっていきます。 読み進めるほどに「この人たちはどんな背景を持っているんだろう」と、兄弟の謎や人々の関係性を追いたくなるシリーズです。
『コンビニ兄弟』の魅力
視点が変わると、同じ出来事がまったく違って見える
『コンビニ兄弟』は、さまざまな登場人物の視点で出来事が綴られる構成がとても魅力的です。
短編集のように章ごとに主人公が変わりながらも、すべての物語が自然につながっています。
特に印象に残ったのは、1巻〜2巻に登場する幼馴染の2人のエピソード。
それぞれの視点から読むと、同じ出来事でもまったく違う感情が浮かび上がり、思春期の女子ならではの複雑さに、少し胸がチクッとするかもしれません。
いじめられる側の物語はよく題材になりますが、いじめる側の心理まで丁寧に描かれているのが新鮮で、
いじめに加担してしまい後悔した経験のある方には、ぜひおすすめしたいエピソードです。
人が優しい世界
この作品に登場する人たちは、みんな根っこが優しい。
悩みや過去を抱えている人もいるけれど、読後感は決して重くならず、
「こんなコンビニがあったら転生したい」
と思ってしまうような、あたたかい世界線です。
舞台となる門司港の空気感も心地よくて、聖地巡礼したくなる。
魅力あふれるコンビニ兄弟たち
タイトルになっている通り、「テンダネス」の店長兄弟が
巻を追うごとにどんどん好きになっていきます。
最初は、こんなできた兄弟本当にいるのかな?と思っていたのに、
物語が進むにつれて、兄弟の過去や弱さ、人間らしい部分が少しずつ見えてきて、
気づけばとても愛おしい存在になっていました。
特に、フェロモンがあふれ出る店長は、ぜひ一目見てみたいと思ってしまう魅力があります。
さいごに
『コンビニ兄弟』を読むにあたり、セイコーマートについて調べてみたのですが、
北海道以外にも茨城や埼玉に店舗があるそうですね。うらやましい…
コンビニのようにどこにでもある場所が、
人によっては居場所になることがある。
日々の中には、気づかないだけで自分の居場所が点在しているのかもしれません。
『コンビニ兄弟』は、
そんな「自分にもどこかにこんな居場所があるかもしれない」と思わせてくれる、
心温まるシリーズでした。
