はじめに
『これがフェイクだ!』
その力強いタイトルと、インパクトのある表紙に目を奪われ、思わず手に取りました。
ロバート・キヨサキさんの『金持ち父さん 貧乏父さん』は、大学時代から何度も読み返してきた大好きな一冊。
そんなキヨサキさんが「フェイク」と語るものとは何なのか?その真意が気になり、ページをめくりました。
この本をおすすめしたい方
・今の資産運用が本当に合っているのか、不安を感じている方
・「お金の増やし方」でなく、「資産とは何か?」という根本から学びたい方
・『金持ち父さん 貧乏父さん』をすでに読んだことがある方
書籍情報
- タイトル:金持ち父さんの「これがフェイクだ!」
——格差社会を生き抜くために知っておきたいお金の真実 - 著者:ロバート・キヨサキ
- 訳者:岩下慶一
- 出版社:筑摩書房
- 刊行日:2019年10月28日
- ページ数:400ページ
要点:3つの「フェイク」とは?
この本では、現代に蔓延する3つの「フェイク」に光を当てています。
- フェイクマネー
見た目は「お金」でも、本質的な価値を持たないもの。私たちが日々触れている通貨や金融システムについて、鋭い視点が提示されます。 - フェイク教師
教育が“お金の本質”を語らないことへの警鐘。私たちが学んできたことの中に、欠けていたものは何か?という問いが浮かび上がります。 - フェイク資産
一見「資産」に見えるものが、実はお金を奪っている存在かもしれない。
「本当の資産とは何か?」を問い直す、深い気づきを与えてくれる章です。
感想:読み終えて感じたこと
ここ最近読んだお金に関する本の中で、もっとも衝撃を受けた一冊でした。
「お金」や「資産」に対する自分の認識を、あらためて見つめ直すきっかけになったと思います。
正直に言うと、これまでに読んだ資産運用関連の本には、内容に共通点が多いという印象を持っていました。(※あくまで私が読んできた範囲内での話ですが)
けれどこの本では、これまでに出会ったことのないような、意外性のある考え方が次々に示され、個人的には驚きの連続でした。
これまでは資産形成については、数冊の実用書やSNSの情報を参考にしながら、「オルカンやS&P500に投資」「とりあえずNISAを活用」といった王道的な方針で進めてきました。
「みんなそうしているから大丈夫だろう」と、どこかで安心しきっていたのかもしれません。
けれど読み終えたあとには、「果たしてこのままで本当にいいのだろうか?」という不安とともに、「そもそも“資産”とは何か?」という、もっと根源的な問いに立ち返る必要性を感じさせられました。
本書は、単なるお金の話にとどまりません。教育や人生観、そしてスピリチュアルな視点にも触れており、非常に濃密で、多角的に物事を考えさせてくれる内容です。
さいごに
テーマ自体は少し難しそうに感じられるかもしれませんが、キヨサキさんらしい対話形式で展開されるため、とても読みやすく仕上がっています。
ページ数はやや多めですが、夜に1〜2時間ほど読書する習慣がある方なら、4~5日ほどで読み切れるはず。
今ある“常識”にそっと切り込みを入れてくれる本。
少しでも気になった方は、ぜひ手にとってみてください。