大学時代からずっと英語を勉強してきた私。
TOEIC教材にはすぐ飽きてしまうのに、TEDのプレゼンにはなぜか夢中になってしまう。
英語字幕と日本語字幕を使って学ぶはずが、
気づけば画面の向こうのストーリーに心を奪われて、英語学習ということすら忘れています。
では、なぜTEDはこんなにも人を惹きつけるのか?
心に残るプレゼンとは、何が違うのだろう?
その答えを探すべく、私はこの本を手に取りました。
・人前で話すのが苦手
・仕事でプレゼンをする機会がある
・TEDの動画を見たことがある
書籍情報
著者:カーマイン・ガロ
翻訳:土方奈美
出版社:日経BP
発売日:2014年7月19日
ページ数:380ページ
この本では、世界中で注目されるTEDプレゼンテーションの魅力を徹底的に分析し、「人を惹きつけ、心を動かす」プレゼンの秘密を解き明かす。著者カーマイン・ガロは、数百のTEDトークを研究し、成功するプレゼンに共通する“9つの法則”を導き出した。
読んでみて
感情に訴えるー数字に勝る心
『TED 驚異のプレゼン』を読んで感じたのは、プレゼンにおける「情熱」の大切さです。
これまで私は、お堅い場面でこそ数字やデータを正確に伝えることが最も重要だと思っていました。
でも、聞いているのは人間、心が動かなければ、どれだけ完璧な資料でも届かないんですよね。
とはいえ、仕事の場に置き換えて考えると、会議であまりに熱量のある話し方をすれば、
逆に上司を驚かせてしまうかも…なんて思ってしまうあたり、自分らしく伝えるって難しいなぁとも感じました。
ストーリが伝える人物像
本の「第1部|第2章 ストーリーの技術をマスターする」では、
プレゼンにストーリーを織り交ぜることの重要性が語られています。
思い出したのは、上司のプレゼン。
ときどき、お子さんの話をほんの少し交えて話すのですが、
以前は「微笑ましいなぁ」と何気なく聞いていました。
でも、今ではその“小話”こそが聞く人の心を和ませ、
上司という人物像の輪郭をより明瞭にしていたのだと気づきました。
プライベートな話を少しだけ織り交ぜることで、
スピーカーの背景や価値観が自然に伝わり、話の世界に入り込みやすくなるんですね。
動画と本で深まる理解
実際に動画を見ながら本を読むことができるのも、この本の魅力のひとつです。紹介されているTEDのプレゼンにはURLが添えられていて、話し手の表情やジェスチャー、間の取り方などを確認しながら読み進めることができます。
動画を見て、「この話し方はどうやって生まれたんだろう?」と考えながら読むと、プレゼンの裏側にある工夫や準備の過程が見えてきて、より深く楽しめる気がします。
ちなみに私はTED-Edも大好きで、あの短くて濃いアニメーションがどうやって作られているのか、いつかもっと詳しく知りたいなと思っています。
さいごに
私は幼い頃から、人前で話すのが苦手でした。
今でも、会議で発言する予定がある日は、朝からずっとドキドキしています。
この本を読んで気づいたのは、「話す技術」の前に必要なのは、
話すことへの情熱と、心から伝えたいメッセージをしっかり持つことだということ。
プレゼンの準備には、そんな“内なる熱”が欠かせないんですね。
でも、思ったんです…
今の仕事の中で、「強く伝えたい」と感じるメッセージを持って会議に臨むことって、正直ほとんどありません。みなさんはどうなんでしょう? 私だけなのかな…
そんな中でも、実践できそうなヒントもありました。
それが、スマホで話す練習を録画すること。
自分の話し方の癖やスピード、間の取り方を見直して、少しずつ整えていくことから始めようと思います。
TEDの登壇者たちも、あの舞台に立つまでに膨大な準備を重ねている。
そう考えれば、努力が必要なのは、むしろ当然ですよね。