学生時代、初めてのアルバイトで「これで自由!」と思ったのも束の間、小さな出費が積み重なり、毎月赤字に。
お金の勉強が必要だと痛感してネット検索をするも、何から始めればいいか分からず手探りの日々。日経新聞にも挑戦したけれど、理解できず心が折れました。
そんな頃にこの本に出会えていたら、もっとラクに、そして“正しいスタート”が切れたと思います。
これからお金を学びたいなら、最初の一冊としておすすめです。
書籍情報
・タイトル:お金の神様に聞く 高橋さん家の100の悩み
・著者:ペロンパワークス
・出版社:主婦の友社
・発売日:2021/05/20
本のポイント

1.人生の長いスパンでお金を考えられる
2.譲れない”好き”がある方
3.普段読書をしない、または活字が苦手な方
1.困る前に備える本
この本のいちばんの魅力は、短期的な節約術ではなく「長いスパンでお金を考える力」が身につくことです。節約や投資の“今”だけではなく、将来その資産をどう活かすかという視点までしっかり教えてくれます。
例えば、投資信託の選び方は、多くの書籍でも紹介されています。
でもこの本では、「投資信託で積み立てたお金を最終的にどう使うか」という出口戦略にまで踏み込んで解説されています。かくいう私も、これまで「積み立てる」ことばかり意識していて、“どう使うか”
を考えたことはありませんでした。
長いスパンでお金を考えることで、今後抱えるであろう悩みを予想することができます。つまり“困る前に備える”ことができるのです。
2.譲れない”好き”がある方
この本の主人公・高橋さんには、お金の不安があっても“推しへの出費”を惜しまない強い想いがあります。資産形成と聞くと、まずは出費の見直しというイメージがありますが、“好き”をすべて削るような節約は違う気がします。
そんな視点からも共感できる人は多いのではないでしょうか。
推しとは少し違いますが、私にとっての“削れない好き”は、一人カフェ時間。
静かな空間でコーヒーと小説を楽しむ時間は譲れません…
カフェ1回1000円ほどと、決して安いわけではありません。でも、“好き”を我慢して節約ばかりして、もし突然死んじゃったら…って考えると、自分にとって譲れない出費は大事にしたいと思っています。
3.普段読書をしない、または活字が苦手な方も
この本はすべて会話形式で展開されていて、まるでドラマを観ているような感覚で読み進められます。図や表、イラストも豊富なので、文字ばかりに圧倒されることなく、スラスラ読める一冊です。
寝る前など、頭がゆっくりしている時間帯でも無理なく読める点も嬉しいポイント。
ちなみに、海外の資産形成関連の翻訳書は、読んでいるだけで「難しい勉強をしている自分」に少し酔える瞬間もあります。本当にただ本を読んでいるだけなんですけどね…
読み終えたあとは脳がぐったりする感覚がありますが、それすら達成感に変わります。
そういう意味では、一見とっつきにくい翻訳書もおすすめです。(この本とは対極ですが。)
さいごに
物価高が続く今、テレビでもSNSでも「お金」に関する話題を見ない日はありません。
そのたびに、「何も準備できていない…」とモヤモヤしたり、不安がよぎる人もきっと多いはずです。
そんな時こそ、ここで紹介したような本を少しだけ読んでみる。
小さな行動でも、「始めた」という実感が、思っている以上に心を軽くしてくれます。
人間は、「やらないといけないと思っていること」を後回しにすると、それが想像以上のストレスになるそうです。
今の不安を抱えたまま過ごすくらいなら、ほんの小さな一歩だけでも、始めてみませんか?
この本は、そのスタートに、ぴったりの一冊です。