通りすがりに舌打ちされたり、順番を抜かされたり、わざとぶつかられたり、
ただ生活しているだけなのに、小さな嫌な出来事はどうしても訪れます。
そして、そういった出来事が重なると、
「人間ってホント嫌い」と思ってしまう日もあるのではないでしょうか。
そんなときにこそ、『かわいい見聞録』を手に取ってみてほしいです。
自己啓発本でも、メンタルを鍛える本でもなく、
人間本来の「愛おしい」という感情を思い出させてくれる一冊です。
本基本情報・ボリューム
- 著者:益田ミリ
- 出版社:集英社(集英社文庫)
- 発売日:2022年5月20日
- ページ数:174ページ
文庫版は全174ページのコミックエッセイで、文章とイラストのバランスがとても良い一冊です。
肩ひじ張らずに読める軽やかさがありながら、イラストだけの本よりもしっかりとした読みごたえがあります。
私はおおよそ1時間ほどで読み終えました。
由来をたどるとわかるかわいさ
『かわいい見聞録』の目次を眺めたとき、
「確かにかわいい」と思うものと、「これはかわいい?」と首をかしげるものが並んでいました。
- 雪だるま
- たんぽぽ
- さくらんぼ
- シャーペンの芯
- 魔法瓶
- 文字
どうしてこれが「かわいい」になるんだろう。
その理由が知りたくて読み進めると、なるほどと腑に落ちました。
言葉や物の起源を知ると、世界の見え方が少し変わるんですね。
「かわいい」は、ただの見た目ではなく、背景にある物語、生み出してきた人々や人々の思いに対し、愛おしいと感じるものだと思いました。
かわいいと思うものが増える、すなわち人間に対して愛おしく思えて、日々の景色が少し明るく見える気がします。
確かな情報に触れるという安心
そしてもうひとつ、この本は言葉や物の背景や出どころを丁寧に教えてくれます。
普段、確かでない情報やフェイク情報に触れることが多いからこそ、
辞書のように信頼できるソースに触れたくなるのだと思いました。
あらゆるものには、その分野ごとの専門書があり、
正しい情報を手に入れることは可能です。
昔、大学で卒論を執筆していたとき、教授から
「信頼できる参考文献からのみ引用するように」と
口酸っぱく言われていたのを思い出しました。
それでも、不確かな情報をもとに自分の考えを主張する場面は散見されますし、
私自身にも思い当たる節があります。
だからこそ、確かな情報をもとに、自分の考えを持ちたいと感じました。
さいごに
ぜひ『かわいい見聞録』を手に取り、
なぜシャーペンの芯やまほうびんが「かわいい」のか、読んでみてほしいです。
そして、ご自身ならではの「かわいい」を見つけてみるのはいかがでしょうか。
日々の景色が、少し明るく感じられるような気がします。
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